「家事代行サービス店に雇われて、働きながら仕事を覚える」のはどう?

家事代行サービスを始めるために、大手の家事代行サービス店に雇われて働きながら覚えるのはどうでしょうか?

あなたが独立したいなら、その答えは基本的にNOです。おすすめはしていません。

たしかに昔ながらの飲食店や工房など、職人の世界では、弟子入りやバイトの下積みから始めて数年働かせてもらい、徐々に仕事内容や技術を習得して一人前になる方が多いのではないでしょうか。

しかし家事代行サービスでの、お客様へ提供する家事サービス技術レベルは、ご家庭で行っている家事仕事と何ら変わりありません。主婦の方であれば、家事の経験はすでに持っているのでしょう。

つまりお客様とのやり取りの仕方さえ知っていれば、家事代行を始めることは可能です。

実際に、家事代行サービスの家事仕事と主婦の家事仕事では特別な違いは、そんなにはありません。

たしかに掃除の段取りやお客様へのマナーなど、習得できる部分は多くありますが、時給分働かないといけない労働者的な考えになり、経営者としてのマインド面はすぐには身に付きにくいと言えます。

それでも2、3年いればノウハウも分かってきて、独立できるくらいのレベルには達するでしょう。

独立する際の注意点

独立する際には、技術や経営ノウハウ以外にも、注意すべき点があります。

例えば、あたたが、家事が好きで家事代行サービス店で修業して、独立をしたとします。そして、社員時代には、お客様から受けが良く指名も多く人気がありましたので、お客様もあなたのお店に移り、独立してすぐ繁盛店となったとします。

しかしそうなると、既存店舗のお客様をほとんど持っていかれた前の会社の社長は、たまったものではありません。今まで積み上げてきた既存店の信頼や信用そして売り上げを盗まれたと感じになるかもしれません。

家事代行サービスという職種は、知らず知らずに、お客様の家庭の内部に入り、人が定着していきます。

お客様は、はじめは提供されるサービスに魅力を感じて仕事を依頼しますが、時を重ねてサービスを提供する人間を信頼するようになると、サービス自体ではなく、スタッフ個人に魅力を感じて仕事を依頼してくれるようになります。

家事代行サービスの商圏エリアは小規模です。あなたが“まず雇われて、独立のためのノウハウを習得したい”と思う気持ちは分かりますが、いずれ悪口を言われる相手を、わざわざ作らなくてもいいでしょう。

それよりは、失敗しながらでもお客様とのコミュニケーションを大切にして、自分の固定客作りから始めた方が近道ではありませんか?

もし、どうしても既存店で働きたいのであれば、自分の家事代行サービス店の予定商圏エリアの外で修業するのがいいかもしれません。

ただし長居は無用です。1、2カ月のアルバイト程度にしないと、その会社のやり方に洗脳されてしまい、自分の自由な発想ができなくなるかもしれませんので、お気を付けください。

それでも「家事代行の技術に不安があるので、いきなり起業は……」との声もあります。

先にも述べたように、家事代行は特別な技術は必要ありませんが、あなたが自身の家事技術に不安があり、開業予算に余裕があるのなら、家事代行関連の協会の教育を受けてみてはいかがでしょうか?

その教育を受講している大手FC家事代行サービスもあります。

代表的な家事代行の協会認定資格・スキル

・家政士(日本看護家政紹介事業協会)
・家事代行アドバイザー(日本家事代行協会)
・家事代行サービス認証(全国家事代行サービス協会)

上記のような資格等を取得することは、家事代行サービスを開業するうえで、お客様への技術に対する自信になると思われます。技術の向上を目指す方ならおすすめしますが、受講料が数十万円かかりますので、あくまで余裕のある方向けです。

それに、それらの資格が他社との差別化やお客様に選んでいただけるセールスポイントになるとは限りません。