フリーランスの「テキストコンテンツ」収益方法

SNS上で書く文章のほとんどが「無償での情報発信」です。しかし、テキストを売る方法がないわけではありません。

①テキストをまとめてPDF販売する
②noteで課金する
③電子書籍を販売する
④有料メルマガを配信する
⑤雑誌・ウェブメディアへの原稿寄稿

① テキストをまとめてPDF販売する

自身の専門性に根ざしたノウハウなどであれば、自身の公式サイトや「infotop」などのプラットフォームでダウンロード販売してもいいでしょう。

注意すべきは、詐欺まがいな高額情報商材に批判が集まっている点です。

妙な評判が立てばブランドを毀損しかねません。内容はもちろん、パッケージ(タイトルを含む)やセールス文章の書き方、価格設定などに十分注意しましょう。

② noteで課金する

「note」は文章や写真、映像などを手軽に投稿できるメディアです。最大の特徴は、決済機能が付いており、記事を販売できる点にあります。

濃いノウハウや新鮮な情報、興味を引く情報であれば、たまたま記事にアクセスしてきた人が購入してくれることもあります。

また、noteには、気に入った書き手を金銭的に応援(サポート)できる「クリエイターサポート機能」もあります。

記事の購入者数やサポートを受けた数、「スキ」(=いいね)の数をチェックすることで、読者(市場)ニーズが見えてきます。

それと同時に、反応率の高い記事を書く筆力も磨かれていきます。「リスト(メールアドレス)を多数保有している」「SNSでアクティブなフォロワーがいる」などの要素が加わると、記事購入率やサポート率が高まりやすくなります。

③ 電子書籍を販売する

AmazonのKindleダイレクト・パブリッシングを使えば、自身のコンテンツを電子書籍化して販売することができます。

販売者は販売額の最大70%の報酬をもらうことができます。商業出版では出しにくいニッチなテーマやマニアなテーマに適しています。

ただし、Amazonにアップロードしたからといって自動的に売れるわけではありません。SNSのフォロワーやリスト(メールアドレス)を増やしておき、継続的に(販売ページのURLを添えて)アナウンスしていく必要があります。

編集者や校閲者が細かく内容をチェックする商業出版物と違い、「電子書籍=質が低い」という傾向が否めません。低質な電子書籍を出してブランドを損なわないよう注意しましょう。

例外として、すでに売れている商業出版物の電子書籍化は前向きに検討すべきです。出版社名が信用を担保していることに加え、紙の本との相乗効果で売れていくこともあります。

電子書籍を販売することで、不労所得として、それなりの額が銀行口座に振り込まれてきます。

④ 有料メルマガを配信する

ファンと見込み客を増やす方策として「無料メルマガ」の発行はおすすめです。

メルマガとは「アドレス登録した人に対して情報を直接送ることができるメディア」のことで、ファンの育成効果が期待できます。

読者と強い信頼関係を築くことができるため、サービスの案内にも適していますが、SNS系のメディアに比べて反応率が高めです。

一方、無料メルマガ読者との関係性が築けたタイミングで「有料メルマガ」を用意する方法もあります。

情報が氾濫している社会では、「本当に信頼できる人から信用できる情報を得たい」というニーズが小さくありません。そのニーズに有料メルマガが合致します。

もちろん、配信内容は、無料メルマガとは一線を画す「有益性・希少性の高い情報」である必要があります。あなただから提供できる「高鮮度」で「高密度」なコンテンツを用意しましょう。

読者向けのオフ会やイベントなどを企画することによって、有料メルマガをコミュニティへと昇華させることもできます。無料では得難いプレミアム感を醸成しましょう。

なお、メルマガを配信するときは、リスト(メールアドレス)がもらえずメール開封率などの効果測定もできない「メルマガ代行配信サービス(例:まぐまぐ!)」よりも、リストをもらえて効果測定もしやすい「メール配信システム(例:WiLL Mail)」の利用をおすすめします。

⑤ 雑誌・ウェブメディアへの原稿寄稿

あなたの専門性や強みを活かして「雑誌やウェブメディアで署名記事」を書きましょう。

メディアから執筆依頼を受けるのがベストですが、最近は専門的な書き手を公募しているケースも少なくありません。

また、公募していない場合も、お問い合わせフォームなどがあれば、執筆希望のメールを送ってみましょう。

「メディアにとってメリットあり」と判断されれば書かせてもらえるはずです。そのメディアにマッチした記事サンプルを併せて送ることで採用確率が高まります。

原稿料の相場は有名媒体で1〜3万円、無名媒体では数千円というケースもあります。

知名度の高いメディアや、自身の専門性にマッチするメディアで執筆することでプロフィール(実績)に厚みが出て、ブランディング効果が得られます。

記事が掲載されたら、自身のSNSで拡散するほか、すかさずプロフィール欄に媒体名を載せましょう。

・出版する

自分の本を出すことでフリーランスのブランディングが一気に加速します。

日本では出版物の信頼性が極めて高く、プロフィールに掲載しておくだけで権威性をアピールできます。請負仕事の場合も、著作の有無で報酬額に差がつくことがあります。

本を出したことで、原稿料がアップすることもありますし、市場価値は確実に高まります。

自身のサービスを販売するときも、本を出していることによって、「信頼感」や「安心感」を抱いてもらいやすくなります。

もちろん、出版するということは、本を通じて、あなたが情熱を持って育んできたコンテンツを世に広められる大きなチャンスです。ふつうに暮らしていれば出会うことのない人が、書店でその本を偶然に見つけて手にすることもあります。

本の中身に感銘を受けた人から熱いファンメールが届くこともあります。

本を出して誰かの人生に好影響を与える。これは出版というビジネスが内包するひとつのロマンです。

本の中身に満足・感動した人が「著者名で検索→SNSをフォロー&メルマガ登録→コミュニティに参加&サービスを購入」というケースも少なくありません。

「本を出す」というとハードルが高く感じられるかもしれませんが、出版について正しく学び、必要なアプローチをかけることによって実現可能性は格段に高まります。

実は、情報発信の一環として専門的な有益性の高いブログを書き続けている人は、すでに「本を出す」というゴールに向けて歩みを進めている人とも言えます。

仮に、ひとつのテーマで100〜200記事のブログを書いたとしましょう。

そこにはもう、1冊分のコンテンツが蓄積されている状態です。アクセスも集まっているようであれば、なおのこと出版社に本の企画提案をしやすくなります。

もちろん、ブログ記事とは別に「仕事面での実績が十分」であることが大前提ではあります。

なお、出版をするなら、著者が1円も持ち出さない商業出版をおすすめします。

商業出版は出版社が著者に約300万円を投資して、読者から投資を回収するビジネスモデルです。売れなければ出版社は赤字になります。

したがって、売れる本をつくるために全力を尽くしてくれます。

一方、自費出版(著者の完全持ち出し)や共同出版(著者と出版社がそれぞれ持ち出す)の場合、出版社が赤字のリスクを避けている分、商品としての質が下がりがちです。

出版社の販売モチベーションも低い傾向にあります。

低質な本を出すことは、読者と著者の双方にとって不幸なことです。自身のブランドも落としかねません。出版社から営業があったときは、十分に注意しましょう。

・コンテンツは賢く二次利用しよう

コンテンツの中には、二度、三度と利用できるものが少なくありません。

例えば、あなたがブログに「〇〇」の記事を書いたとしましょう。この時点では何の収益も得られていません(「信用貯金」は貯まります)。

このときに検討すべきがコンテンツの二次利用です。「この記事を活かしたサービス提供はできないかな?」と考えるのです。以下はサービス提供の一例です。

・「〇〇」の音声配信
・「〇〇」の動画講座
・「〇〇」の研修
・「〇〇」の書籍(紙と電子)
・「〇〇」の記事をnoteで有料販売

これらは、それぞれ異なる販売チャンネルです。コンテンツに加工やアレンジを加えながら二次利用することによって収益効率が高まります。

加工やアレンジというのは、言い方を変えると「アップデート」です。情報発信やサービス提供の形でくり返しアウトプットするうちにコンテンツが熟成されていき、やがて唯一無二のコンテンツへと昇華されていくこともあります。

安易な「コピペ」や「焼き直し」で終わらせない意識を持ちましょう。「また同じか」と思われた瞬間に、ファンやお客様が離れていってしまいます。