
長らく、一個人が自分のブランドをつくるには、「実業や特定の分野で成功する」「マスコミに(頻繁に)取り上げられる」「本を出版する」というアプローチしかありませんでした。
しかし、インターネットやSNS、それらを使うためのデバイスの充実によって、個人でありながらブランドをつくることができるようになりました。
個人がブランドをつくる唯一の方法は、その人の専門性とスキルをベースに、誰かのためになる情報を発信し続けることです。情報を発信し続けることによって、「存在認知→ファンの獲得→熱烈ファンの獲得」という階段を登っていくことができます。
SNSを使っているフリーランスは大勢いますが、その多くが単なる日記や雑記の投稿に終始しています。人柄は伝わるかもしれませんが、ブランディング効果は微量です。
「日記」や「雑記」を書いて喜ばれるのは、芸能人やネット上のインフルエンサーなど、すでにブランドができている人に限られます。
フリーランスを目指すなら、「仕事内容」や「仕事の成果物」をわかりやすく伝える投稿に加え、自身の専門性とスキルを、誰か(それを必要とする人)の役に立つ形で届けていく「貢献の投稿」が不可欠です。
ここで言うブランドとは、全国的な認知度を獲得する、というレベルのものではありません。小さな市場でも、あなたの専門性と実力を認知し、あなたを必要とし、あなたのところへやってくる人がいれば、それは「ブランドがある」状態です。
ダンスの動画編集を得意とする動画エディターであれば、ダンサーやダンスの先生の間で「知られる存在」になればいいのです。
ここで、フリーのスタイリストAさんを例としてみましょう。
Aさんは、ブログ、Facebook、Instagram、YouTubeなどを使い、おもに40代の女性起業家に「信頼される服選び&着こなし」の投稿をしていくとします。
① 存在認知
「Aさんは実績のあるフリーのスタイリストなのね」と認知する
② ファンの獲得
「Aさんのセンスはすてきだなあ」「Aさんっていいこと言うなあ」「Aさんのようになりたいなあ」と思われる。また、AさんのSNSをフォロー・読者登録・チャンネル登録・ブックマークする
③ 熱烈ファンの獲得
セミナーに参加する・コンサルティングを受ける・コミュニティに参加するなど、Aさんのサービスを購入する。このステージで出版するケースもよくある。
また、マスコミから取材を受けるケースも増える。
相乗効果が生まれてAさんのブランド価値がより高まる。
④ ブランド確立
熱烈ファンが、その人の魅力やサービスを勝手に広めてくれる
②でファンが見せる反応は職種によっても異なります。「すてきだなあ」ではなく、「誠実だなあ」「しっかりしているなあ」「頭がいいなあ」「アイデアがスゴいなあ」「ユニークな人だなあ」のような反応をもらうことがブランド構築上、有効な人もいるでしょう。
大事なのは、あなたの市場価値を高めていくうえで、どういう反応をもらうことがベストなのか、ということです。
今は透明性の高い時代です。あまりにも自分とかけ離れた演出をすることはおすすめしません。あなたが思う「あなたらしさ」と、世の中が求めている「あなたのイメージ」です。双方を両睨みしながら進むべき道を模索していきましょう。
⑤ の状態になることでフリーランスの仕事はスムーズに回りはじめます。ファン(見込み客)が自然と集まり、サービスを購入してくれる、というサイクルに入ります。
人は賑わっているところに集まるものです。その人の情報にはじめて触れた人でも「この人のところは賑わっているなあ(人気があるんだな)」と感じ、直感的にサービスを購入するような人もいます。これもまた「ブランド」のパワーと言えるでしょう。
もちろん、ブランドがつくられていく過程においても、誰かのためになる「貢献の投稿」をしていれば、「この人に相談したい」「この人のところで学びたい」という人は増えていきます。中にはサービスを購入してくれる人もいるでしょう。
こうして従来型フリーランスとは一線を画す収入が増えていくわけです。