フリーランスの「教える仕事」とは、「釣り方を教える」こと

「教える仕事」がフリーランスが提供するサービスの本丸です。

請負仕事の基本は「自分がやる」ですが、「教える仕事」の基本は「お客様にやってもらう」です。

「魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教えよ」という格言があります。教育の真髄を言い表す言葉ではないでしょうか。

話し方、メイク、プログラミング、デザイン、投資、翻訳、経営など何について学ぶにせよ、「教える仕事」では、こちらが手取り足取り教えることが大事なわけではありません。

それは魚を与えている状態であり、お客様の未来のメリットになりません。

一方、「教える仕事」の主人公は「お客様」です。お客様自身の力で目指すゴールに到達してもらうことが肝心です。

釣り方を教えることができれば、そのお客様は、一生、魚を釣り続けることができます。刹那的な結果ではなく、長期でメリットを受け取ってもらうことができれば、そのサービスの価値は何倍、何十倍にも跳ね上がります。

もちろん、そういう〈結果が出るサービス/リターンの大きなサービス〉には強気の価格設定をすることができます。

価値を感じてもらうためには、お客様に「長期でメリットを得られる旨」を伝えたうえで、そのゴールまでの道筋で行われるサポートに魅力と信頼を感じてもらう必要があります。

以下は、アナウンサー養成講座を例に、お客様に伝えるときのポイントを紹介します。

・現状の課題・問題点を明確にする

アナウンサーは「声や滑舌がいいだけ」でなれるものではありません。細かいアナウンススキルはもちろん、人前で話すマインドや、客観性、常識力、マナー、所作などを身につける必要があります。

・「魚の釣り方」を覚えることがお客様にとって最大のメリットであることを理解してもらう

このアナウンサー養成講座は、仕事先を斡旋するところではありません。生涯にわたって仕事のオファーをもらえるアナウンススキルを身につけていただきます。

・お客様自身が主人公であることを伝える

受け身の姿勢では、スキルは磨かれていきません。主体的に学び、貪欲に「実践→改善」をくり返すことによって「アナウンスの筋肉」が着実についていきます。

・お客様が到達するゴールを明確にする(ワクワクしてもらう)

修了時には、プロとして通用する「ニュース読み」「司会進行」「インタビュー」「リポート」「ナレーション」の基本が身についています。

・お客様自身に「ゴールに到達します!」とコミットさせる

プロのアナウンサーになるためには粘り強さが不可欠です。あなた自身が「必ずアナウンサーになる」とコミットする必要があります。毎回、講座の最後には課題を出します。課題に取り組めない方のお申込みはご遠慮いただいています。

・お客様に「ゴール達成後に待っている明るい未来」を伝える(さらにワクワクしてもらう)

プロのアナウンサーになると、あなたの未来の可能性が切り拓かれます。アプローチさえ間違えなければ、あなたが望むアナウンスの仕事をすることができるでしょう。

もちろん、ラジオやテレビのMC起用など活躍のステージを上げていくこともできます。

「教える仕事」を売るときに、カリキュラムの特徴や詳細ばかりを伝える人がいますが、そのやり方をしているうちは、大きな売上は見込めません。

相手の感情を動かし、購入へと誘うには、ターゲットに「自分が魚を釣る主人公である」と自覚してもらうことと、未来の自分にワクワクしてもらうことが肝心です。

伝えるときの人称は「I(わたしが)」ではなく「YOU(あなたが)」、あるいは「WE(一緒に)」を意識しましょう。